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黒羽 光男; 佐々木 和一*; 川辺 浩康*; 山田 隆雄*; 佐藤 稔*
PNC TN941 82-101, 185 Pages, 1982/04
高速増殖原型炉「もんじゅ」蒸気発生器伝熱管の候補材料である21/4Cr―1Mo鋼およびSUS321を対象に,微小リーク時のリーク孔自己拡大(セルフウェステージ)現象を調査するための試験が,動燃大洗工学センターのSWAT―2および4装置を使用して実施された。計6体のヘアー・クラック状の貫通欠陥をもつノズル(製造時の孔径は円孔換算で1997mの範囲)が試験に使用された。試験はナトリウム温度が21/4Cr―1Mo鋼ノズルの場合で470,SuS321ノズルで505,注水圧力はどの試験ケースも約130kg/cm2g一定の条件であった。主な試験結果は以下のとおりである。21/4Cr―1Mo鋼の微小リーク(拡大前の平均リーク率は210-5g/sec)でも閉塞せずにリークが継続し,逐にはリーク孔が拡大完了してリーク率が急激に拡大することが3ケース中1ケースに確認された。他の2ケースはノズル孔が閉塞し,拡大しなかった。セルフウェステージ率は一般的に材料,リーク率およびナトリウム温度に影響されるが,本試験によるとリーク孔拡大後のリーク率はこれらに強く依存せずに,最終的な拡大リーク率は110g/secの範囲に達する傾向にあった。SUS321ノズルにおいてナトリウム-水反応部近傍の金属組織は結晶の粗大化が認められたが,組成上の変化は全くなかった。損耗部表面では,ナトリウム側と蒸気側で激しく凹凸していたが,その中間部では比校的平滑であった。